災害拠点病院
当院は平成9年1月7日に災害拠点病院に指定されました。胆振地域は、製鉄所、石油コンビナートなどの工場群を抱えるほか、20~30年周期で噴火を繰り返す有珠山もあり、大事故発生の可能性が高い地域なので、常に緊張感をもって有事に備える必要があります。
平成28年4月1日には、当院を含む胆振地域の7病院( 日鋼記念病院、市立室蘭総合病院、製鉄記念室蘭病院、伊達赤十字病院、八雲総合病院、苫小牧市立病院、王子総合病院)で災害発生時における総合支援に関する協定を締結しました。災害発生時には、北海道、医師会とも緊密な連携をとりながら、医療救護活動に当たります。
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災害拠点病院とは
災害時における初期救急医療体制の充実強化を図るための拠点となる医療機関のことで、以下の災害医療支援機能を有します。
- 多発外傷、挫滅症候群、広範囲熱傷等の災害時に多発する重篤患者の救命医療を行う高度な診療機能
- 患者等の受け入れ及び搬出を行う広域搬送への対応機能
- 自己完結型の医療救護チーム(DMAT)の派遣機能
- 地域の医療機関への応急資機材の貸し出し機能
DMAT
災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team:DMAT )とは「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されています。
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。
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災害拠点病院としての施設
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ヘリポート(平成9年設置)
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備蓄倉庫(平成9年設置)
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常用自家発電装置(平成12年設置)
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受水槽(平成14年設置)
災害時の対応
大規模な地震などの災害が起きた場合には、重症のけが人が同時に多数発生します。そのような時、けが人の重症度・緊急度を考慮して、救出・治療・搬送の優先順位を決めるトリアージの訓練も行っています。
また、災害医療、救急医療のためヘリコプターでの搬送が必要な場合には、当院駐車場3階のヘリポートを使用して患者の収容、あるいは他医療機関への送り出しをします。
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有珠山噴火(平成12年)
避難所にいる住民の健康管理のための医療班派遣や、被災医療機関の入院患者および透析患者を当院に収容するといった医療支援に当たりました。また、被災患者収容によりベッドなどの医療器材が不足した医療機関へ応急資機材を貸し出しました。
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北海道洞爺湖サミット(平成20年)
サミットの救急医療体制確保のため、厚生労働省から災害派遣医チーム(DMAT)の派遣要請があり、洞爺協会病院に派遣しました。
東日本大震災(平成23年)
DMAT出動要請に伴い、広域搬送拠点臨時医療施設(SCU)を航空自衛隊千歳基地内に設置し、全国初の広域医療搬送による被災者の受け入れに携わりました。
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北海道胆振東部地震(平成30年)
発災当初から院内に設置した災害対策本部の中心メンバーとして活動するとともに、北海道からの要請に伴い市内の一般病院に入院している人工呼吸器患者を市内の災害拠点病院へ救急搬送する業務に従事しました。
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