令和5年度 日鋼記念病院 病院指標

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 533 85 161 207 189 356 524 948 743 184
 『地域がん診療連携拠点病院』である当院は、北海道の広大な医療圏の一つである西胆振地域の中で地域医療の中核として質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。西胆振地域は北海道の中でも高齢化率が高い傾向に有り、当院においても60歳以上の患者さんの占める割合が6割を超え、症状が比較的重症になりやすい高齢者の入院が多くなる傾向にあります。
 また、小児期の患者さんが多くなっている理由は、『地域周産期母子医療センター』の役割として、早産等で小さく産まれた赤ちゃんや具合の悪い赤ちゃんを集中的に治療していること等が挙げられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130090xx97x0xx 貧血(その他) 手術あり 手術・処置等2なし 18 10.11 10.70 0.00% 87.17
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.52 - -
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし A-DROP スコア1 - - 13.88 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし - - 20.60 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 10.60 - -
 内科では貧血に対する輸血療法の入院が最も多くなっています。高齢に伴う食事摂取量の低下による栄養不足、胃や大腸からの出血が原因であることも多いです。
 2位は尿路に起こる感染症への治療です。尿路感染症は高齢者に多く見られ、発熱や高熱が続く等の重症な場合には入院治療が行われます。
 次に多いのが肺炎です。肺炎の重症度や種類によって分かれています。肺炎の患者さんは高齢になるほど重症になる傾向があり、2週間以上の入院となることが多いです。肺炎のデータに関しては、『指標4.成人市中肺炎の重症度別患者数等』もご参照ください。誤嚥性肺炎の入院では、日常生活のための基本的な動作が困難で、自宅療養が難しく施設入所を希望される患者さんもおられますので、その調整に期間を要すること等から入院日数が長くなっています。
 内科的な全身疾患の治療を行うため内科に入院し他の専門医と連携をとっています。

※厚生労働省の公開条件に従い、10症例未満は【-】で表示しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 141 6.28 6.07 0.00% 0.00
030270xxxxxxxx 上気道炎 44 4.25 4.72 0.00% 2.95
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 33 4.03 5.86 0.00% 5.21
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 30 3.53 5.64 0.00% 3.10
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 4.83 5.62 0.00% 2.52
 小児科では『地域周産期母子医療センター』として新生児特定集中治療室(NICU)を備えており、早産等で小さく産まれた赤ちゃんや具合の悪い赤ちゃんを集中的に治療しているため、新生児の患者さんの割合が多くなっています。
 2位は急性上気道炎といった小児呼吸器疾患の症例が挙げられます。
 3位、5位は肺炎の症例が挙げられます。ウイルス感染によるものと細菌感染によるものによってDPCコード、名称が分かれています。急性上気道炎や肺炎で入院した患者さんの平均年齢が2~5歳であり、小さなお子さんの呼吸器治療の重要性が分かります。
 4位はウイルス性腸炎の症例です。嘔吐や下痢といった症状があり、脱水症が進行しないよう治療を行います。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 63 8.06 4.51 1.59% 71.71 バスキュラーアクセスPTA
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 30 12.87 9.88 0.00% 68.40 乳筋温存乳房切除・乳房温存術
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 24 5.71 4.55 0.00% 77.00 鼠径ヘルニア根治術
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし 23 32.35 7.57 4.35% 66.48
090010xx99x6xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-6あり 11 2.09 3.81 0.00% 58.82
 外科1位と4位の症例は、腎臓の機能が低下し働かなくなった腎臓に代わって人工的に血液を浄化する人工透析を行う患者さんに、血液の「送り出し口」「戻り口」である『シャント』が狭くなってしまったり、血栓が生じてしまった場合に除去をする手術症例です。
 2位と5位は乳癌に対する手術療法と薬物療法症例、3位は鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)に対する手術症例です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 60 47.23 25.50 13.33% 82.13
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 38 38.03 19.34 7.89% 82.97
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 34 10.32 4.76 0.00% 60.53
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 22 28.05 21.96 0.00% 73.00
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 副傷病なし 17 9.94 5.67 0.00% 37.53
 整形外科では、大腿骨の骨折に対して手術を施行している患者さんが最も多くなっています。
 次いで、胸椎、腰椎の圧迫骨折の疼痛管理、リハビリ目的で入院される患者さんが多く挙げられます。
 3位は、前腕の骨折に対し、手術を施行している患者さんです。
 4位は変形性膝関節症に対する手術を施行している患者さんです。変形性膝関節症とは、大腿骨と脛骨の間にある軟骨がすり減り、炎症や痛みが生じる疾患で、進行すると歩行障害等、日常生活に支障が出てくるため、関節の一部または全部を人工関節に置き換える手術治療を行っています。
 5位は、肘関節の骨折に対する手術の疼痛管理、リハビリ目的で入院される症例です。
 平均年齢を見ると、1位、2位の症例において高齢の患者さんであることが分かります。高齢の患者さんが転倒などで骨折された場合、在院日数が比較的長くなることが多いです。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 33 6.12 2.82 0.00% 77.42 眼瞼下垂手術
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 11 5.64 3.93 0.00% 49.36
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 12.88 - -
080250xx971xxx 褥瘡潰瘍 手術あり 手術・処置等1あり - - 63.52 - -
100100xx97x0xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2なし - - 24.94 - -
 形成外科で最も多い症例は、眼瞼下垂(上まぶたが下がって眼が開きにくくなり、視野が狭くなったりものが見づらくなったりする状態)に対してまぶたを上げる手術治療で、高齢者がなりやすい病気のため平均年齢も77.42歳と高めとなっております。
 2位は、良性皮膚腫瘍の切除・摘出症例です。
 3位は、蜂巣炎(皮下組織の感染症)や皮膚膿瘍に対する治療症例で、主には抗生剤投与の治療となりますが、症状の悪化した場合は皮膚の切開・排膿を行うこともあります。
 4位は、褥瘡(寝たきり等によって、体重で圧迫される場所の血流が悪くなったりすることでただれたり傷が出来てしまうこと。床ずれ)の感染部位の除去手術、糖尿病足病変の症例です。神経障害や血流障害を合併した糖尿病患者の下肢に生じる感染症や潰瘍等の病変に対し、状態に応じて手術を行っています。

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産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 29 8.93 9.34 0.00% 33.55 帝王切開術
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 22 9.27 9.31 0.00% 30.36
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 19 3.00 2.96 0.00% 38.42 円錐切除術
120010xx99x40x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 17 4.47 4.82 0.00% 82.06
120140xxxxxxxx 流産 14 1.57 2.43 0.00% 35.21 子宮内膜掻爬術
 当院は西胆振地域唯一の『地域周産期母子医療センター』であるため周産期関連の疾患が多くなっており、産婦人科で最も多い症例は、帝王切開で出産する症例で2位も帝王切開術症例となっています。なお、正常分娩で出産する場合は健康保険の扱いとならないため、この症例数からは除外されています。
 3位は、子宮頸部(子宮の入り口)の異形成(前癌状態)や上皮内癌(癌細胞が表面のみに留まっているもの)に対して手術加療を行う症例です。
 4位は、卵巣癌の薬物療法(抗癌剤等)目的で計画的な短期入院を繰り返す症例です。
 5位は、妊娠早期に流産してしまう症例です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 153 4.04 4.46 0.65% 75.49 両眼白内障手術(3泊4日)
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 109 1.85 2.54 0.00% 72.50 片眼白内障手術(1泊2日)
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 18 11.11 7.81 0.00% 48.22
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 11 8.00 5.67 0.00% 64.64
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり - - 3.08 - -
 眼科の入院はほとんどが手術目的となります。
 1位、2位は白内障に対する手術である水晶体再建術(濁った水晶体を取り除いて、眼内レンズに置き換える手術)で、集計対象症例のほとんどを占めます。両眼、片眼でDPCコード、名称が分かれています。
 3位は網膜剥離で、網膜が何らかの原因により眼球壁側から剥離したことを指し、放置することで失明の危険性がある重篤な疾患です。
 4位は網膜前膜や黄斑円孔等、網膜の中心である黄斑が障害される疾患に対する手術症例です。 
 5位は斜視(両目の視線が目標物にまっすぐ向かない状態)に対する手術症例です。他の症例に比べて平均年齢が低くなっています。

 現在、初診の患者さんは紹介状をお持ちの方のみ受け付けています。

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耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 34 7.56 6.02 0.00% 54.32 鼻内内視鏡手術
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 手術・処置等2なし 29 7.21 7.00 0.00% 59.03 甲状腺摘出術
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 23 7.39 6.74 0.00% 65.70 耳下腺腫瘍摘出手術
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 22 9.82 7.53 0.00% 29.18 扁桃腺摘出術
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 22 5.18 5.51 0.00% 38.68 扁桃周囲膿瘍
 耳鼻咽喉科で最も多い症例は、副鼻腔炎(蓄膿症)に対する内視鏡手術症例です。副鼻腔(顔の内部にある空洞)の換気をよくする手術で、当院ではナビゲーションシステム(術中の器具の位置を、術前に撮影した精密なCT画像上に表示させるもので、カーナビゲーションで現在の位置がわかるものと同じシステム)を導入し、より安全で確実な手術治療が可能となっています。 
 2位は、甲状腺腫瘍に対して行われる手術です。腫瘍を手術で取り除きます。
 3位は、耳鼻咽喉器官にできた腫瘍を切除・摘出している症例です。摘出した時点では良性か悪性がわかっておらず、摘出組織を病理検査にかけて良性か悪性の判断を行っております。
 4位は、扁桃膿瘍や扁桃炎の症例で、喉頭鏡を使用して検査したり点滴で治療します。
 次も同じく扁桃症例ですが、こちらは症状によって手術で扁桃を摘出する場合があります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 17 3.00 2.44 0.00% 69.41 前立腺生検
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2-2あり 副傷病なし 12 8.50 6.59 0.00% 76.58 経尿道的膀胱腫瘍切除術
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 - - 4.02 - -
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし - - 5.22 - -
11013xxx97xxxx 下部尿路疾患 その他の手術あり - - 10.82 - -
 泌尿器科で最も多い症例は、前立腺癌を疑う患者さんに対する前立腺針生検です。超音波ガイド下にて専用の針を使用し、前立腺から組織を採取します。その後顕微鏡を使って癌の有無、組織型、悪性度等を調べます。
 2位は膀胱癌に対しTUR-Bt(経尿道的切除術)と薬物療法(抗癌剤治療)を実施した症例です。組織診断と治療をかねて内視鏡的切除を行い、切除組織を顕微鏡検査で癌の有無、組織型、悪性度、深達度等を正確に評価します。膀胱内再発予防の目的で抗癌剤膀胱内注入を行います。
 3位は何らかの原因によって尿路に閉塞を来した水腎症(尿が流れ出ずに尿路に停滞し尿路が押し広げられた状態)の症例があります。尿路外からの尿路圧排が原因の水腎症には内視鏡手術として尿管ステント(管)の挿入や、背中から腎臓へカテーテル(管)を入れる手術を行います。
 4位と5位は腎結石、尿管結石に対し手術を実施した症例です。発生した部位や手術内容によって診断群分類が異なるため4位と5位に分かれています。

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循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 7.80 9.77 0.00% 85.40
050070xx9700xx 頻脈性不整脈 その他の手術あり 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし - - 10.04 - -
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし - - 19.34 - -
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 - - 25.50 - -
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 - - 4.46 - -
 循環器内科の1位、2位はペースメーカーの電池消耗に対し、ペースメーカーの交換を行う患者さんです。元々の心臓疾患に応じてDPCコード、名称が分かれています。
 同率2位の胸椎、腰椎の圧迫骨折の疼痛管理、大腿骨骨折に対して手術を施行している患者さんは、整形外科での治療の後、長期療養を目的としている患者さんです。
 5位の白内障に対する水晶体再建術は療養病棟での長期療養中に眼科で手術を施行している患者さんです。

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糖尿病・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり 57 32.42 13.99 8.77% 70.77 糖尿病教育入院(初回)
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり - - 13.31 - -
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし - - 10.66 - -
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 11.49 - -
100040xxxxx10x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2あり 副傷病なし - - 18.91 - -
 糖尿病・代謝内科で最も多い症例は、1位と3位の2型糖尿病(遺伝的な素因に肥満等が加わって発症)の教育、合併症検査の入院です。その結果に基づいて、最適な治療法を決定することが目的となっています。また、血糖値の高い患者さんが他の診療科で手術をする前に入院して血糖コントロールやインスリン導入を行う目的によるものもあります。1位と3位の違いは、インスリン導入の有無の違いでDPCコード、名称が分かれています。
 2位は1型糖尿病の症例です。1型糖尿病の患者さんは、膵臓からインスリンがほぼ出なくなるため、インスリン注射で補う治療が必須となります。入院して血糖コントロールを行う等の患者さんがいます。
 5位は糖尿病の合併症である、糖尿病ケトアシドーシスの症例です。糖尿病により糖が正常に代謝できなくなると血液中に糖が余ってしまい、高血糖が持続すると全身の血管や神経に様々な障害を及ぼします。輸液によって水分とナトリウムを補充し、インスリン投与で高血糖とアシドーシスを治療します。
 4位は腎不全等の腎疾患です。腎臓は糖尿病の3大合併症の1つに糖尿病性腎症があり、糖尿病は様々な病態を引き起こすため各病態に合わせた治療を入院で行っています。

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消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 210 2.56 2.61 0.00% 69.03 大腸ポリープ切除術
06007xxx9908xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-8あり 52 3.73 5.52 0.00% 70.50
060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-7あり 34 3.00 4.72 0.00% 54.85
060060xx99030x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-3あり 副傷病なし 31 2.29 5.37 0.00% 68.65
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 25 12.00 8.75 12.00% 79.44
 消化器内科の最も多い症例は大腸腺腫や大腸ポリープに対する内視鏡的治療(粘膜切除、ポリペクトミー)となります。大腸内にできた良性腫瘍を約50倍に拡大する拡大内視鏡や特殊光観察による精密内視鏡検査を実施し、内視鏡で摘出する治療です。粘膜切除、ポリペクトミーの手術データに関しては、『指標6.診療科別主要手術別患者数等』<消化器内科>もご参照ください。
 2位は膵臓癌、3位は大腸癌、4位、5位は胆嚢、胆管癌の薬物療法(抗癌剤、分子標的薬治療等)のため計画的に短期入院を行う症例となっています。薬物療法のお薬の違い、癌の部位の違いでDPCコード、名称が分かれています。昨今、ほとんどの治療が外来で施行可能となっておりますが、薬物療法の初回導入時やお薬の種類によって入院の対象となります。患者さんの生活の質(QOL)をなるべく下げることなく癌の治療を継続することを目標としているため、短期間の入院となっております。
 このように、消化器内科では消化器全ての疾患に対して幅広く対応しています。内科・外科との連携を緊密に行い、緊急度の高い疾患に対しても迅速に対応することをモットーとしています。消化器癌に対しては、内視鏡治療や外科治療のみならず薬物・放射線療法をはじめとした集学的治療を積極的に行っています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-6あり 28 3.57 4.42 0.00% 69.29 結腸・直腸切除術(狭窄なし)
060040xx99x6xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-6あり 24 4.08 4.34 0.00% 56.75
060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-7あり 15 5.07 4.72 0.00% 79.60
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 14 39.36 15.12 0.00% 76.36
060040xx99x70x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-7あり 副傷病なし 10 2.90 4.38 0.00% 68.50
 消化器外科で最も多い症例は癌に対する薬物療法(抗癌剤、分子標的薬治療等)のため計画的に短期入院を繰り返すというものが挙げられます。1位と3位は結腸癌、2位と5位は結腸癌に対する薬物療法のお薬の違いや大腸の部位の違いでDPCコード、名称が分かれています。
 4位は結腸癌に対する手術療法となっております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 10 - - 31 - - 1 8
大腸癌 - 12 16 95 - 113 1 8
乳癌 18 21 - - - 23 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - 22 - - 11 - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)の患者さんの人数を初発は(StageⅠ)から(StageⅣ)のUICC病期分類別と再発の患者さんの人数で集計しています。

【UICC病期分類について】
 癌の進行度を判定する基準として国際的に活用されている国際対がん連合(UICC)によって定められた分類方法です。
①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
 当院では、消化器内科・外科にて胃癌、大腸癌、肝癌の患者さんを、呼吸器内科にて肺癌の患者さんを、外科にて乳癌の患者さんを診療しています。
 胃癌のステージⅠ期については、胃カメラの検診による早期発見で内視鏡検査を実施し、患者さんへ身体の負担が比較的少ない治療を行っています。
 大腸癌のステージⅠ期については、病変の検出を支援するAI(人工知能)を用いた機器「EndoBRAIN-EYE」を導入しており、質の高い大腸内視鏡検査を実施し早期発見に努める治療を行っています。
 乳癌のステージⅠ期については、乳癌検診(マンモグラフィー検査)や乳腺に対する生検といった、診断を確定させるための検査を積極的に行っております。また、腫瘤を伴わない石灰化だけの症例にも対応できるステレオガイド下マンモトーム生検も行っており、早期発見・早期治療が実践されています。
 胃癌、大腸癌はステージⅣ期、肝癌はステージⅡ期の割合が高くなっています。手術治療や薬物療法、放射線治療等、患者さんの状態に合わせた幅広い治療を実施しています。大腸癌のステージⅣ期の割合が特に多くなっていますが、これは1人の患者さんが薬物療法(抗癌剤治療等)で複数回入院された場合もそれぞれ1症例として集計しているためです。(2023年度に退院した患者さんの延べ数にて集計)
 UICC病期分類が不明の症例については、治療前(確定診断前)の検査入院が該当し、退院後に検査結果が報告される場合があるためです。また、当院では緩和ケア病棟を設置しており、他院より紹介されて入院した患者さんのステージ分類が不明なことも一因となります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 22 24.73 78.68
重症 - - -
超重症 - - -
不明
 成人(20歳以上)の肺炎患者さんについて重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。(市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎を言います)肺炎は罹患率が高い上、死亡率も高く、国民の死亡原因の上位に位置する疾患です。
 当院においては軽症~超重症の患者さんはいらっしゃいましたが、中等症以外は10症例未満、平均年齢は76歳で後期高齢者の年齢層になっています。市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化し、軽症以外の患者さんの平均年齢もそれぞれ後期高齢者が占め、高齢者の肺炎が増加しているとわかります。
 特に慢性呼吸器疾患をお持ちの患者さんは繰り返し肺炎に罹患される方もいらっしゃいます。高齢で合併症を有する肺炎は重症化の危険性も高く、適切な抗菌薬の使用や酸素投与等の支持療法が大切となります。重症例では人工呼吸管理、栄養管理を含む全身管理を実施し、救命率の向上に努めております。

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脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
-
 脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しましたが、当院には脳神経外科の常勤医師が不在のため対象症例はありませんでした。他の疾患で入院している際に、脳疾患の併発があった場合は、他院の脳神経外科と連携し対応しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 53 10.96 12.36 0.00% 71.79 バスキュラーアクセスPTA
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 22 1.00 3.23 0.00% 76.55 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 16 1.13 10.75 0.00% 64.94 乳筋温存乳房切除・乳房温存術
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 16 2.94 14.75 0.00% 71.19
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) - - - - -
 外科では人工透析(腎臓の機能を代行する治療法)患者さんのかかりつけ医としての役割を果たすため、1位、同率4位の経皮的シャント拡張術・血栓除去術(血液の「送り出し口」「戻り口」である『シャント』が狭くなった部分へバルーンを膨らませて拡張するカテーテル治療)、同率3位の末梢動静脈瘻造設術(『シャント』を造設する手術)等の透析アクセス関連手術を積極的に行うようにしています。特に、高齢化により良好な透析アクセスが得られない症例が多く、これらの手術が重要な意味を持っています。
 2位の手術は、鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)手術です。メッシュを用いた根治性の高い手術や、手術の傷が目立たないような腹腔鏡下手術も行っています。  
 同率3位、5位の乳癌の手術症例は、根治性を損なわないことを原則とした上で治療にあたっています。

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整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨)(大腿)(上腕) 45 1.47 41.22 11.11% 81.60
K0821 人工関節置換術(肩)(股)(膝) 36 1.61 27.17 0.00% 72.28
K0731 関節内骨折観血的手術(肩)(股)(膝)(肘) 30 2.40 27.63 3.33% 59.70
K0462 骨折観血的手術(前腕)(下腿)(手舟状骨) 23 0.96 14.65 0.00% 73.52
K0811 人工骨頭挿入術(肩)(股) 20 0.90 43.00 15.00% 82.85
 整形外科の1位は上腕や大腿の骨折に対する骨接合術です。特に大腿骨の骨折手術では、高齢者が多くなっています。これは、骨粗鬆症によって骨の強度が低下し、転倒等の比較的軽微な外力で骨折を起こしてしまうためです。自宅退院を目標に長期のリハビリテーションが必要な場合には、転院してリハビリをされるケースもあります。
 2位は、変形性股関節症、変形性膝関節症が高度の場合に行う人工関節置換術で、手術により痛みの軽減をはかります。
 3位は膝や肘等の関節内の骨に対する骨接合術です。大腿骨の骨折に比べて年齢は若いですが、リハビリテーションに時間を要するため、平均術後日数は大きく変わりません。
 4位の手術は、前腕や下腿の骨折に対する骨接合術です。大腿骨の骨折に比べて平均術後日数が短く、早期に自宅退院出来ることが分かります。退院後は外来通院にてリハビリを行っている患者さんが多いようです。
 5位は、股関節部の骨折に対し、人工骨頭を挿入する手術です。手術は、折れている骨(骨頭)を取り除いて人工物でできた骨頭に置きかえます。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) 18 0.00 4.50 0.00% 79.72 眼瞼下垂手術
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 15 0.07 5.47 0.00% 69.47 眼瞼下垂手術
K0064 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径12㎝以上) - - - - -
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0134 分層植皮術(200㎠以上) - - - - -
 形成外科は、主に身体表面に生じた組織の異常や変形、欠損等の疾患に対し、様々な手法や特殊な技術を駆使し、機能や形態を正常な状態に近づけ、患者さんの生活の質(QOL)の向上に貢献する外科系の専門領域です。
 1位、2位は眼瞼下垂(上まぶたが下がって眼が開きにくくなり、視野が狭くなったりものが見づらくなったりする状態)の手術です。下垂の程度を考えて術式を選択しますので、術式の違いにより1位と2位に分かれています。
 3位は、皮膚良性腫瘍の摘出術です。腫瘍のある場所や大きさによって手技が分かれています。
 4位は、皮膚癌の切除です。皮膚癌には多くの種類があり、代表的な皮膚癌と前癌状態である基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)やボーエン病、パジェット病、メルケル細胞癌に対して手術した症例となっています。多くは日光にあたる顔面や四肢に発生しますが、高齢者に比較的多いので、高齢化社会を迎える今後、皮膚癌の発生増加が予想されます。皮膚に気になる病変ができた場合は、早期に受診することをお勧めします。
 5位は、分層植皮術です。植皮とは、皮膚移植のことで、身体の他部位から皮膚を採取して、皮膚が欠損している部位に移植します。移植する皮膚の厚さにより分層植皮(表皮と真皮の一部を含み薄い)と全層植皮(表皮と真皮を含み厚い)に分かれます。外傷による皮膚欠損、手術により組織を切除しそのまま縫縮(欠損を縫い縮める)できない場合等、皮膚が欠損したあらゆる部位に植皮は広く用いられます。

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産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 42 11.83 6.95 0.00% 33.21 帝王切開術
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 31 2.84 7.03 0.00% 31.39 緊急帝王切開術
K867 子宮頸部(腟部)切除術 19 1.00 1.00 0.00% 38.42 円錐切除術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 15 0.93 5.07 0.00% 53.73 腹腔鏡下手術(子宮全摘術以外)
K9091イ 流産手術(妊娠11週までの場合)(手動真空吸引法によるもの) 11 0.00 0.00 0.00% 34.45 子宮内膜掻爬術
 産婦人科は、西胆振地域の『地域周産期母子医療センター』としての役割を有しています。そのような状況から、帝王切開術(選択ならびに緊急)が1位、2位にランクインしています。様々な合併症を伴ったリスクの高い帝王切開による分娩も他科と連携し、適切な管理を行います。また、新生児特定集中治療室(NICU)も備えており、他院からのハイリスク妊娠の紹介例も多くあります。
 3位は、子宮頸部(子宮の入り口)の異形成(前癌状態)や上皮内癌(癌細胞が表面のみに留まっているもの)に対して行う子宮頸部円錐切除術です。病変部を含めて子宮頸部を円錐状に切除することにより、診断を確定すると同時に、どの程度の治療が必要であるのかを明らかにします。
 4位は子宮附属器腫瘍摘出術です。卵巣腫瘍やチョコレート嚢腫(子宮内にできるはずの子宮内膜が卵巣にでき、増殖、出血を繰り返す)を治療する方法で子宮附属器(卵巣、卵管)を摘出します。 
 5位は流産手術です。子宮内容物(胎児、胎盤、子宮内膜等)を除去します。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 258 1.24 0.88 0.39% 74.31 片眼白内障手術(1泊2日)
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 34 2.06 8.71 2.94% 62.00
K2423 斜視手術(前転法及び後転法の併施) - - - - -
K2682ロ 緑内障手術(流出路再建術)(その他のもの) - - - - -
K275 網膜復位術 - - - - -
 眼科では、白内障に対する手術である水晶体再建術(濁った水晶体を取り除いて、眼内レンズに置き換える手術)が集計対象手術件数のほとんどを占めます。
 2位は硝子体茎顕微鏡離断術(目の中に細い手術器具を入れ、目の中から網膜剥離を治療する)です。増殖糖尿病網膜症(高血糖の持続によって網膜の細い血管が障害されることにより起こり、進行すると網膜の虚血を補うため、網膜に新しい血管が発生し、硝子体へと伸びていきます)や網膜剥離(網膜が何らかの原因により眼球壁側から剥離したこと)、黄斑円孔(眼底の中心にある黄斑部の網膜に孔(あな)があく病気)等の網膜硝子体疾患に対する手術です。患者さんの状態によっては、上記の白内障手術と硝子体手術を同時に行うこともあります。
 3位は斜視手術です。目には6つの筋肉(外眼筋)がついており、この外眼筋の位置をずらしたり、筋肉を縫い縮めることにより、両眼の位置がまっすぐに近づくようにします。
 4位は同率で緑内障手術、網膜復位術です。緑内障は何らかの原因で視神経が障害され視野が欠けたり狭くなったりする病気で、眼圧を下げて進行を防止し、失明を予防するために行います。手術は症状に応じて2通りあり、流出路再建術(房水の通り道を広げるもの)と濾過手術(新たに房水の通り道を作るもの)があります。
 網膜復位術は若年者の網膜剥離に対して施行することが多い手術です。結膜を切開して結膜の下の強膜という組織にシリコン製のスポンジを縫着して眼球の外側から内側に隆起を作り、隆起の上に網膜裂孔をのせる方法です。若年者は硝子体がしっかりしており、術後に硝子体が内側から裂孔をおさえ閉鎖させる効果が期待できるため、本術式を選択します。

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耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 34 2.09 4.35 0.00% 54.65 鼻内内視鏡手術
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 33 1.85 6.94 0.00% 30.85 扁桃腺摘出術
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) 26 1.77 4.27 0.00% 57.96 甲状腺摘出術
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 13 2.38 5.00 0.00% 68.00
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) 12 1.92 1.67 0.00% 63.58
 耳鼻咽喉科の1位は、副鼻腔炎(蓄膿症)に対する内視鏡下手術が多くなっています。副鼻腔(顔の内部に複数ある空洞)を鼻腔(鼻の穴)内に広く開放して、副鼻腔の換気をよくすることを目的に手術します。当院ではナビゲーションシステム(術中の器具の位置を、術前に撮影した精密なCT画像上に表示させるもので、カーナビゲーションで現在の位置がわかるものと同じシステム)を導入し、より安全、確実な手術治療が可能となっています。
 2位は、慢性扁桃炎や扁桃肥大に対して口蓋扁桃を摘出する手術です。
 3位は、甲状腺(のどぼとけのすぐ下にある小さな臓器)の良性腫瘍に対しての手術です。腫瘍を手術で取り除きます。
 4位は、耳下腺腫瘍に対して行われる手術です。腫瘍を手術で取り除きます。
 5位は、リンパ節を摘出する手術です。摘出した時点では良性か悪性がわかっておらず、摘出組織を病理検査にかけて良性か悪性の判断を行っております。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 14 1.07 6.86 0.00% 76.93 尿道的膀胱腫瘍切除術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) - - - - -
K805 膀胱瘻造設術 - - - - -
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) - - - - -
 泌尿器科で最も多い手術は筋層非浸調性(表在性)の膀胱癌等の泌尿器癌に対する膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)です。尿道から内視鏡を膀胱へ挿入し、電気メスにて膀胱癌を切除し、顕微鏡検査で組織型、悪性度、膀胱壁への深達度等も評価します。
 2位は、経尿道的尿管ステント留置術で、何らかの原因によって尿路に閉塞を来した水腎症(尿が流れ出ずに尿路に停滞し尿路が押し広げられた状態)に対する内視鏡手術として、尿管ステント(管)を挿入する手術です。
 3位は、尿路結石に対して行うTUL(経尿道的尿路結石除去術)です。尿道から細径の内視鏡を挿入し、直接レーザーで尿路結石を砕く手術となっており、より低侵襲で最先端の治療法です。
 4位の膀胱瘻造設術は、何らかの原因によって全く尿が出ない状態になり、尿路へのカテーテル(管)を入れるのが難しい場合に、尿を出すための管を下腹部より直接膀胱に挿入する手術です。患者さんの状態により最善の手術を選択し治療しております。
 5位は前立腺肥大症に対し、TUR-P(経尿道的前立腺切除術)を行う症例で、尿路から内視鏡を挿入し、前立腺の組織を電気メスで切除します。1位の経尿道的手術と同様に電解質を用いた、より安全性の高い術式を道内で最初に採用しています。

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循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 10 0.00 6.80 0.00% 85.30
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨)(上腕)(大腿) - - - - -
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) - - - - -
 循環器内科の1位はペースメーカーの交換術です。ペースメーカーの電池はは7~10年で交換時期となります。皮膚を切開して古いジェネレーターを取り出し、既存のリードと新たなジェネレーターを接続して、皮下のポケットに挿入します。
 2位は大腿骨骨折に対する骨接合術と、白内障の水晶体再建術、ペースメーカー移植術です。大腿骨の骨折手術は整形外科、水晶体再建術は眼科で手術を実施しています。ペースメーカー移植術は、ペースメーカー交換の時にジェネレーターだけではなくリードも新しいものと交換した場合、移植術の術式になります。

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消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 189 0.48 1.04 0.00% 69.46 大腸ポリープ切除術
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 27 21.93 28.81 0.00% 73.41
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 21 3.71 2.10 0.00% 66.43
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 15 12.80 12.40 13.33% 85.40
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 12 37.00 62.08 41.67% 83.58
 消化器内科では、大腸腺腫や大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術の症例数が最も多くなっています。粘膜切除術、ポリペクトミー目的の1泊2日入院が典型的な症例です。腺腫やポリープの大きさの違いで1位と3位に分かれています。
 2位は、癌に対する薬物療法(抗癌剤、分子標的薬治療等)の薬液を注入するために皮膚の下に『ポート』を埋め込みする手術です。
 3位は、胆道ステント留置術です。胆管に狭窄がある場合、プラスティックや金属のステント(管)を内視鏡で胆管内に埋め込む治療が行われています。
 5位は長期的に点滴から栄養を投与する必要のある患者さんに対して行われる手術です。手術の内容は2位の『ポート』の埋め込みと同じですが、目的によってKコード、名称が異なっています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 14 11.79 28.57 7.14% 76.50 結腸・直腸切除術(狭窄なし)
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 13 8.69 6.00 0.00% 70.77 腹腔鏡下胆嚢摘出手術
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - - - - 虫垂切除術
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
 消化器外科では大腸癌に対する結腸切除術が最も多く、腹腔鏡下で行う場合と開腹で行う場合で1位と同率4位に分かれています。取り残しのないように癌の広がっている可能性のある腸管とリンパ節を切除します。
 2位は胆嚢炎や胆石症等の胆嚢疾患に対する摘出術があります。急性胆嚢炎を起こされた患者さんは、内科的な治療後に消化器外科で手術を行う場合や、状態によってはすぐに手術を行う場合もあります。腹腔鏡下手術は創が小さく手術後の痛みも少ないため、回復が早いです。腹腔鏡下手術で行えるかどうかは、病状の進行状況や体格、以前に行った手術や治療中の病気等で異なりますので、主治医と十分相談の上で決定する必要があります。
 3位は虫垂炎に対する手術療法です。虫垂(盲腸)が何らかの理由により炎症を起こした場合であって、症状が強く、保存治療が困難な際に切除を行います。
 同率4位は癌に対する薬物療法(抗癌剤、分子標的薬治療等)の薬液を注入するために皮膚の下に『ポート』を埋め込みする手術です。薬物療法を行う方の多くがこのポートを埋め込んでいます。
 
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その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発症率を示したものです。

 医療資源を最も投入した病名と入院のきっかけとなった病名が同一かそれ以外で件数を集計しています。
  『同一』ということは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表します。一方『異なる』ということは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に発症した違う病気(この指標の場合は、敗血症、手術・処置等の合併症)による治療が主だったものになってしまったことを表します。当然、発症率は低いほうが良いのですが、免疫力が低下しているときに合併して発症することが多いため、コントロール困難な症例と言えます。但し当院の発生率はいずれも0.2%以下となっております。
 当院ではDPCを播種性血管内凝固、敗血症とする際は、臨床的に根拠のある診断を基に投入された医療資源を勘案して、入院医療費請求を行うよう努めています。

※厚生労働省の公開条件に従い、10症例未満は【-】で表示しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
380 373 98.16%
 肺血栓塞栓症の予防は医療安全がテーマとなっております。肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓症)は、世間ではエコノミークラス症候群等と呼ばれています。足や体幹の深い静脈に血の塊(血栓)が形成された状態を深部静脈血栓症といい、この血栓が流されて肺の血管を詰まらせた状態を肺血栓塞栓症といいます。肺血栓塞栓症は突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患です。
 手術中は、長い間ベッドに横たわり同じ体勢をとり続けること、手術の影響で止血機能が亢進することから、発症のリスクが高まります。近年は肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症の危険因子が明らかになっており、予防対策を行うことが推奨されております。予防法として弾性ストッキングの着用や抗血液凝固薬の使用等があります。尚、こちらの指標は、肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓症)予防ガイドラインにのっとり、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した症例が対象です。
 当院では約98%以上の患者さんに予防対策をしており、全ての患者さんへ安全に手術を受けていただけるようスタッフ一丸となって手術に取り組んでおります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
778 580 74.55%
 感染症の診療では、起因菌を明らかにするため、血液培養を2セット以上採取することが推奨されています。当院の2セット率は約74%ですが、今後も2セット率を高く保つことで、適切な感染管理を行っていきます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
149 122 81.88%
 広域抗菌薬は細菌感染症の切り札ですが、近年は不適切な抗菌薬使用により、耐性菌が増加しています。当院では抗菌薬適正支援チーム(AST)が広域抗菌薬の使用されている症例に介入し、適正使用を推進する取り組みを行っております。
更新履歴
2024.9.30
令和5年度日鋼記念病院指標公開

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